今回は、一発台と呼ばれるパチンコ台について解説していきます。

近年では天下一閃や天龍∞といった台に一躍注目が集まりましたが、厳密に言えばこれらの機種は本当の一発台とは呼べません。

そこで、過去に一世を風靡した一発台の仕様も含めて、なるべく分かりやすく解説していきますね。

パチンコの一発台とは?

まず前提として、パチンコ台にはデジパチや羽根物、一般電役といったジャンルがありますが、実は一発台というカテゴリーはありません。

一発台と呼ばれていた台のほとんどは一般電役、あるいは普通機というジャンルのパチンコ台で、一発台仕様の羽根物やデジパチはなかなか稀なケースでした。

また、一発台が流行り出す前の一般電役や普通機のゲーム性は、大当たりとパンクを繰り返しながら少しずつ打ち止めを目指すといったものです。
(※今と違って、昔は一回の遊技で獲得できる出玉に上限がありました)

 

しかし、ホールは一般電役や普通機の釘に極端な調整を加えることで当たり穴に一発でも玉が入れば半永久的に玉が出続けるような仕様に変貌させ、そういったパチンコ台が一発台と呼ばれるようになったんです。

当たり穴に一発でも玉が入れば大量出玉を獲得できる点は天下一閃や天龍∞と同じですが、当時の一発台の仕様は極端な話、朝一に大当たりした後に閉店まで出し続けることもできるというのが大きな違いですね。

全盛期の一発台の仕様

一発台が全盛期だった頃は、釘調整に関して今ほど厳しい指導がありませんでした。

盤面を見ただけで明らかに手が加えられているのが分かるくらい露骨でしたし、役物の動きも今のパチンコとは全然違います。

簡単に説明すると、当たり穴に玉が入ると特定のチューリップが開きっぱなしになり、大当たり前までには無かった道が作られます。

大体は右打ちすればその道に沿って普段は入らない入賞口に玉がどんどん流れ込み、一気にまとまった出玉を獲得できるんです。

 

ちなみに、出玉上限はホールによって様々で、入賞率を低くした分だけ出玉上限を多めに設定しているホールもあれば、入賞率を高くして出玉上限を少なめに設定しているホールもありました。

台にリミットが付いているわけではないため、【4箱出したら終わり】といったように店員がチェックしていました。

多様化していくゲーム性

一発台が流行り出した当初は、当たり穴に一発玉が入るだけで一撃出玉を獲得可能というシンプルなゲーム性でしたが、その後は3つ穴クルーンの1/3の当たり穴を突破できれば大当たりといったようにゲーム性も多様化していきました。

3つ穴クルーンと言えば現在は天龍∞やカイジ沼でもお馴染みですが、既にこの頃から存在していたと考えると歴史を感じますね。

ちなみに、一発台は当たり穴に再入賞させてしまうとパンクしてしまうのですが、定量打ち止め制のホールは大体の場合はパンク保証があり、店員が入賞口に玉を入れてもう一度大当たりさせるといった処置が取られていたんですよ。

規制による一発台の終焉

しかし、一発台の人気が爆発したことがきっかけで一発台にとっては致命的といえる規制が入りました。

当時の一発台のゲーム性を破綻させるような規制が、【役物が作動した時に他の入賞口に簡単に玉が入るのはダメ】というもの。

また、この頃から釘調整に関しての指導も厳しくなり、パンク穴を意図的に潰すような調整もできなくなりました。

これにより半永久的に出玉を獲得できる一発台の時代は終焉を迎え、現在導入されている一発台のゲーム性を再現したパチンコ台も本当の一発台とは言えない・・・というわけです。

YouTube動画で歴代機種を振り返る

当時の一発台のいくつの動画がYouTubeにアップされているので順番にみていきましょう。

なお、紹介する順番は導入順ではなく50音順です。

アメリカンドリーム

アメリカンドリームは豊丸がリリースした一発台です。

まずは役物に玉を入れ、役物内のレールを玉が転がって一番下の穴まで到達することができれば大当たり。

レールの背後にあるプロペラがハズレ穴を防ぐサポートをしてくれますが、そうはいってもタイミングが中々シビアで、ほとんどの場合は下段の穴に到達する前にハズレ穴に落ちてしまいます。

なお、アメリカンドリームはP1とP2が販売されているほか、三洋からもアメリカンドリームというデジパチが過去にリリースされています。

ジャスティ

ジャスティは3つ穴のクルーンの当たり穴に入ると大当たりというゲーム性。

最初の入賞口に玉を入れるのが大変で、入賞口の前で玉が左右のどちらかに抜けてしまうことも多いです。

また、これは余談になりますが、ジャスティは3つ穴クルーン入賞時のタイミングが合わなかった時に台をどつくことでハズレ穴をスルーできる、といったような攻略法が有効だったとのこと。

私は当時の一発台をリアルタイムで打っていないので聞いた話になりますが、ホール側も店員が背後に立って見張るといった処置を取っていたそうですよ。

スーパーコンビ

スーパーコンビが大人気となった理由の一つが、当時では斬新だった3つ穴クルーン。

一発台が流行り出した頃には入賞口に入れば大当たりというシンプルなゲーム性だったので、入賞口を突破してもまだ安心はできないというよりスリリングなゲーム性が上手くパチンカーに受け入れられたんでしょうね。

メガトロン

メガトロンは大当たりまでに最低でも2発の玉が必要なので、厳密に言えば一発台とは言えません。

まずは役物に玉を通すことから全てが始まり、電動アタッカーが5回開放する間に玉を拾わせることができれば大当たりとなります。

時を超えて一発台が復活?!最新台情報

最近では”天下一閃”や”天龍∞”など、一発台が復活したと話題になりました。

しかし、ここまでの説明を読めば分かる通り、厳密に言えば当時の一発台のゲーム性を踏襲しているものの、本当の一発台と呼べる仕様ではありません。

完全な一発台を再現できないこと、現在の若いパチンカーには一発台のゲーム性は受け入れられないだろうという印象から、天下一閃が導入された当初は人気は出ないだろうと思われていましたが、いざ蓋を開けてみれば予想に反する人気機種に。

 

そして、天下一閃の人気に続いて天龍∞やライジンマンといったアナログ台が続々とリリースされました。

天龍∞も導入当初から高稼働を維持できたことを踏まえると、確変や派手な演出がないアナログ台でも人気が出るということが証明されましたね。

 

ただ、デジタル台とアナログ台が融合した”うしおととら”や”犬夜叉”はお世辞にも高稼働を維持できたとは言いづらいです。

この2機種がコケた原因を私なりに推測するなら、変にデジタル台とアナログ台の良いところだけを詰め込もうとして逆に失敗した・・・といったところでしょうか?

一発台のゲーム性を再現するならするで、純粋なアナログ台として尖らせた方がウケはいいような気がします。

優秀な釘師がいないのも流行りづらい理由

そのほかに言えるとすれば、ホールの扱い方によっても印象がガラッと変わるのがアナログ台。

アナログ台は釘調整がシビアなのに現在は各ホールに優秀な釘師がおらず、ネカセを含めた調整ができるホールがほとんどないというのが現状です。

現に天龍∞や今日もカツ丼といった機種の導入当初は、調整ミスにより赤字のホールと黒字のホールの明暗がハッキリと分かれ、2chなどのネット掲示板でもすぐに話題になりました。

 

ホール側からしてみれば、シビアな釘調整が必要な台よりも釘を熟知していない役職でも手軽に運用できるデジパチの方が扱いやすいということも、一発台タイプの台が流行りづらい理由の一つと言えるでしょうね。

また、今後は釘を一切調整できることができない封入式パチンコに移り変わっていくというのも、一発台が流行りづらい大きな理由です。

まだまだこの先どうなるかは分かりませんが、残念ながら当時のような盛り上がりを見せるのは難しいのではないかと思っています。